第10回「1stRound」支援先決定およびコーポレートパートナー参画のお知らせ
印刷する東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長:植田浩輔、以下、「東大IPC」)は、国内最大規模を誇る大学(※1)共催の起業支援プログラム「1stRound」の第10回支援先を決定いたしました。またこの度、九州電力株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:池辺和弘)、東邦ガス株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:増田信之)が新たにコーポレートパートナーとして参画しました。
技術シーズの社会実装を支援、国内初、大学横断・Non-Equity型最大規模の起業支援プログラム
「1stRound」は、初動を加速させるためのNon-Equity資金支援をはじめ、その事業価値が算定可能な事業体・スタートアップとなるためのハンズオン支援を行うべく、2017年より東京大学を母体に「起業支援プログラム」としてスタートしました。2019年より名称を「1stRound」とし、コーポレートパートナーの参画も得たコンソーシアム形式で展開、その後に東京大学以外の大学とも共催を開始し、現在に至ります。
第9回採択チームは支援期間中に大手企業とのPoCを50%達成、過去採択企業も躍進
前回の第9回「1stRound」に採択された8チームのうち4社が、半年の支援期間内にコーポレートパートナーとのPoC(実証実験)を開始しました。また、過去採択企業の今期の主なニュースは以下の通りです。
第1回採択チーム 株式会社ELYZA
KDDI株式会社、KDDI Digital Divergence Holdings株式会社と資本業務提携を締結(2024年3月18日)
第9回採択チーム 株式会社DigitalArchi
Industry Co-Creation(ICC)サミット FUKUOKA 2024「REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える」Sponsored by 慶應イノベーション・イニシアティブにおいて優勝(2024年2月21日)
第5回採択チーム DataLabs株式会社
デロイト トーマツ グループが開催した「デロイト トーマツ イノベーション サミット 2024 / アントレプレナーサミット・ジャパン」内でのピッチイベント「Morning Pitch Special Edition2024」において年間最優秀賞を受賞(2024年3月21日)
第8回採択チーム 株式会社OPERe
セイコーエプソン株式会社と2024年4月に資本業務提携契約を締結し、戦略的パートナーとして連携を強化していくことで合意(2024年3月26日)
「1stRound」では、過去7年半、累計76チームを採択し、会社設立・資金調達を支援してまいりました。支援後1年以内の資金調達成功率約90%以上、大型助成金の採択率50%以上を達成しております。さらに、コーポレートパートナーを中心とする大手企業との協業関係の創出にも注力しており、各回半数を超えるチームが協業に至っております。採択企業とコーポレートパートナーをはじめとする様々なステークホルダーを繋げ、双方の知見を活かしたより良いスタートアップ創出のためのコミュニティの醸成とともに、技術シーズを活用したスタートアップビジネス促進の加速を目指します。
また、関連大学の起業家教育プログラムとの連携により、再応募からの採択は全採択数のうち20~25%を占めており、アカデミアからの起業をより後押しするエコシステム構築を目指しています。
コーポレートパートナーとして新たに九州電力、東邦ガスが参画、総勢22社へ
「1stRound」には、コーポレートパートナーとして、各業界のリーディングカンパニー(※2)が継続参画しています。この度、電力業界から九州電力株式会社、ガス業界から東邦ガス株式会社が新たにコーポレートパートナーとして参画しました。総勢22社の支援のもとでベンチャー企業と既存企業とのあいだのオープンイノベーションの加速を図ります。
第11回公募時期について
本プログラムは1年に2回実施しており、第11回「1stRound」公募を4月15日より開始します(応募締切:6月3日)。詳細は以下のURLよりご参照ください。
https://www.1stround.jp/
この度の第10回「1stRound」では、2023年12月の審査会にて9社の採択が決定しました。以下にご紹介いたします。
株式会社MQue 代表取締役 津田 拓也
https://mque.co.jp/
MQueは、航空宇宙発の高精度な流体 (単相流・二相流) シミュレーション、物理シミュレーションの高速化、3Dデザイン生成など、複数の世界トップレベルの技術を独自の強みとして、主に流体シミュレーションの開発を行っています。マックスプランク研究所、東大航空宇宙、NVIDIA、マッキンゼー等の経歴を持つ世界トップレベルのエンジニアとビジネスメンバーがチームとなり、製造業をはじめとするお客様の製品開発の品質・コストの課題を解決していきます。
SACMOTs(サクモツ) 田島 大地・村上 真哉
https://kyudai-crop.com/
「低農薬・低肥料で高収量・高付加価値の食料生産 」の実現を目指す、九州大学発のチームです。チームメンバーは、ビジネス・研究サイドともに研究室のOB・OGで構成され、100年以上の歴史がある作物学研究室の「植物の収量・品質向上」に関する圃場から実験室レベルでの知見を活かし事業展開を目指します。(設立準備中)
慶大GLab 代表 牧 英之
https://sites.google.com/keio.jp/glab/
http://www.az.appi.keio.ac.jp/maki/
ノーベル賞を受賞した「グラフェン」という最先端のナノカーボン材料を用いて、半導体のようにチップ上に集積可能な赤外光源など、世界初のナノカーボン光デバイスの社会実装を進めています。世界初のグラフェン光デバイスで安心・安全・健康なデジタル社会を実現するため、ナノカーボンデバイスの量産技術を基に、赤外分析、センシング、情報通信、素材などの広い分野で、革新的グラフェンデバイスを世界最速で社会実装することを目指しています。会社設立に向けて、慶大・プロジェクト名「慶大GLab」で活動しております。(設立準備中)
フェルメクテス株式会社 代表取締役 大橋 由明
https://fermecutes.com/
納豆菌タンパク質の実用化に取り組む国内唯一の企業として、世界が今抱えている食糧生産や環境問題の解決を目指すべく、納豆菌タンパク質の実用化に取り組んでいます。納豆菌特有の「圧倒的な生産効率」と「長い食経験」をもとに環境負荷の少ない効率的な食糧生産の実現と、新タンパク質食材である「kin-pun 納豆菌粉」の開発・普及を進めています。
株式会社Auxilart 代表取締役CEO 金 俊佑
https://auxilart.com/
Auxilartは数理モデルを用いたデジタルシミュレーションにより、医薬品製造プロセスにおけるコスト削減を実現するサービスを提供しています。これまで、医薬品の製造現場では、最適な製造プロセスを見つけるために、何千、何万もの実験を繰り返す必要がありました。同社はAIモデルが必要とするデータ量のわずか1%程度から高精度なシミュレーションモデルを構築し、必要な実験数を大幅に削減することが可能です。この技術によって、誰もが革新的な医薬品をより早く・安価に享受できる世界を目指します。
Upmind株式会社 代表取締役 箕浦 慶
https://upmind.co.jp
心身のケア(予防・未病)は、個人だけでなく政府・企業含め、重大な社会課題です。忙しい日常の中で心に余白を持つことの習慣化を促進しています。60万以上ダウンロードされているマインドフルネスアプリ「Upmind」の開発・運営(東京大学滝沢龍研究室とも共同研究)を軸に、今年度からは、法人向けの従業員の健康増進プログラムも展開予定です。全ての人が、”心に余白を持って幸せに生きることのできる社会”の実現を目指していきます。
AI Mage Inc. 代表取締役CEO 張 鑫
https://www.aimage.xyz/
日本の文化を代表するアニメ業界は、過酷な労働環境や人材不足に直面しており、抜本的な改革が求められています。AI Mageは、より良質なアニメ制作を実現するため、制作現場と緊密に連携し、最先端のAI技術を活用した最適なソリューションを提供します。日本発ならではの強みを最大限に生かし、世界の生成AI分野でリーディングカンパニーを目指してまいります。
nook株式会社 代表取締役CEO 熊澤 龍生
https://nooknook.jp
z世代を中心にファッション業界で存在感を増す二次流通での購買。しかし、拡大の鍵を握るECでは、有名ブランドの服など一部のものしか取引がされにくいのが現状です。nookが開発する古着発見アプリReListは、日本中の中古服との、パーソナライズされたSNSライクな出会いを生み出しています。独自AIシステムが、曖昧なニーズと中古服をマッチングすることで、検索では難しかった安く買える理想の洋服との出会いを起こします。
同社はAIに関する研究開発力と中古衣服領域での事業経験から、産業を垂直に改革し、自由でサステナブルなアパレル二次流通を牽引します。
One Genomics Inc. Co-Founder CEO Diana Luan
https://www.onegenomics.co/
昨年初めてゲノム編集治療薬Casgevyが海外で承認され、今後ますます医療だけでなく食品、環境の領域でも技術の応用が期待されています。同社のコア技術である「セイフガードgRNA」は、様々なゲノム編集の応用ニーズに合わせた最適化を実現します。すでに米国にて登記されており、UC Barkley SkyDeckも修了して現在は国内外の製薬企業や、試薬メーカー等と協議を進めています。ゲノム編集の可能性を拡張する新しいイノベーションによって社会に貢献します。
※1 国立大学法人東京大学、国立大学法人筑波大学、国立大学法人東京医科歯科大学、国立大学法人東京工業大学、国立大学法人神戸大学、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、国立大学法人一橋大学、国立大学法人北海道大学、国立大学法人九州大学、学校法人早稲田大学、学校法人慶應義塾、学校法人立命館(立命館大学/立命館アジア太平洋大学)、学校法人東京理科大学(2023年12月時点)
※2 株式会社STNet、NTTコミュニケーションズ株式会社、エプソンクロスインベストメント株式会社、JR東日本スタートアップ株式会社、ダイキン工業株式会社、日本ゼオン株式会社、阪急阪神ホールディングス株式会社、ピー・シー・エー株式会社、東日本高速道路株式会社、日立建機株式会社、BIPROGY株式会社、芙蓉総合リース株式会社、ホンダ・イノベーションズ株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、三井不動産株式会社、三井物産株式会社、三菱商事株式会社、三菱地所株式会社、三菱重工業株式会社、Yamauchi-No.10 Family Office(五十音順)
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について
概要 東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設立 2016年1月
株主 国立大学法人東京大学(100%)
所在地 東京都文京区本郷七丁目3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者 代表取締役社長 植田浩輔
URL https://www.utokyo-ipc.co.jp/
https://www.1stround.jp/
【お問い合わせ】
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(1stRound事務局)
東京都文京区本郷七丁目3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
TEL: 03-3830-0200 / FAX: 03-3830-0183
Email: info2@utokyo-ipc.co.jp
担当者:長坂英樹