STORM Therapeutics Ltd (英国、ケンブリッジ)に対する500万ドルの出資を決定

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社（本社：東京都文京区本郷、代表取締役社長大泉克彦、以下「東大IPC」）が運営する協創プラットフォーム開発１号投資事業有限責任組合（以下「協創1号ファンド」）は、RNA修飾酵素(RME)を標的とした低分子治療薬の研究開発を進める創薬ベンチャー企業STORM Therapeutics Ltd（本社：英国、ケンブリッジ, Chief Executive Officer：Jerry McMahon, PhD、以下STORM社）に対して500万ドルの出資を行いました。今回のSTORM社への投資は、M Ventures, Pfizer Ventures, Taiho Ventures LLC, Cambridge Innovation Capital, Fast Track Initiative, Seroba Life Sciences, IP Group plcが東大IPCと共に参加する総額3,000万ドルの共同投資となります。

東大教員も参画する、RNA修飾酵素を標的とする英国創薬ベンチャー

生体内の重要分子であるRNAの多くは化学的に修飾され得ることがわかっており、こうしたRNA修飾の変化ががんをはじめとする様々な疾患の発症に関連し得ることが示唆されています。STORM社は、RNAを修飾する各種RNA修飾酵素（RME）を標的とした低分子治療薬を探索し、治療薬としての開発を進める臨床ステージの創薬ベンチャー企業で、癌およびその他の疾患の治療を目指します。複数のパイプラインを有するSTORM社ですが、そのリードプログラムSTC-15はFirst in ClassのMETTL3 阻害剤で、他社に先駆け2022年から固形がん患者を対象とするPhase1臨床試験が開始されました。STORM社Scientific Advisory BoardにはRNA修飾における研究を最先端で牽引する東京大学大学院工学系研究科鈴木勉教授が参画しています。

東京大学周辺の持続可能なイノベーション・エコシステムの発展を目指す、協創1号ファンド

協創１号ファンドは、東京大学関連ベンチャーの育成促進と、東京大学を取り巻くベンチャーキャピタルの質・量の充実、を中心に据えて運用を行なうことで、東京大学の周辺に持続可能なイノベーション・エコシステムを構築し、世界のベンチャー創出拠点の一つとなることに寄与することを目的としています。具体的な運用として、今までに6つのベンチャーキャピタルへのLP出資（ファンドオブファンズ）とともに、東京大学関連ベンチャーへの直接投資を現在も積極的に行っており、その数は30社を超えます。事業化までに長い時間と比較的大きな資金が必要となるバイオテック・ディープテックベンチャーに対しては、長期ファンドを運用する東大IPCとして継続的な支援提供、その成功に向けた伴走を今後も行なってまいります。

ライフサイエンス領域の海外展開を加速、アカデミアの知見や技術を世界に

また東大IPCは、STORM社をはじめ、Axial Therapeutics社、Carbon Biosciences社、DEM Biopharma社など、海外における複数の協調投資をライフサイエンス領域のトップティアVCと共に行っています。今年10月には米国マサチューセッツ州ケンブリッジのCambridge Innovation Center（CIC）にも拠点を構えるなど更にグローバルな視点からも弊社を結節点とするイノベーションエコシステムの拡大を図っております。

東大IPCは、起業支援、投資事業、コーポレートイノベーション支援という3つの活動を通じて、東大から世界のイノベーションを加速します。

STORM Therapeutics Ltdについて

概要 RNA修飾酵素を標的とした治療薬開発を進めるバイオテク企業

所在地 Babraham Research Campus, Moneta Building, Cambridge CB22 3AT, UK

代表者 CEO & President Jerry McMahon, Ph.D.

URL https://www.stormtherapeutics.com/

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社（東大IPC）について

概要東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社

設立 2016年1月

株主国立大学法人東京大学（100%）

所在地東京都文京区本郷7-3-1　東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261

代表者代表取締役社長　大泉克彦