VividQ Ltd.への出資を決定
印刷する東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 大泉克彦、以下「東大IPC」)が運営する協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合(以下「協創1号ファンド」)は、革新的な3Dホログラフィのソフトウエアプラットフォームを提供するVividQ Ltd.(本社:イギリスCambridge、CEO : Darran Milne、以下「VividQ社」)に対して、£3Mの出資を行いました。今回の投資は、株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ(本社:東京都文京区、代表取締役社長 郷治友孝、以下UTEC)、みやこキャピタル株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役:山口哲史、岡橋寛明、菅谷常三郎)や、ヨーロッパの投資家などとの共同投資になります。
東京大学周辺の持続可能なイノベーション・エコシステムの発展を目指す、協創1号ファンド
協創1号ファンドは、東京大学関連ベンチャーの育成促進と、東京大学を取り巻くベンチャーキャピタルの質・量の充実、を中心に据えて運用を行なうことで、東京大学の周辺に持続可能なイノベーション・エコシステムを構築し、世界のベンチャー創出拠点の一つとなることに寄与することを目的としています。具体的な運用として、今までに6つのベンチャーキャピタルへのLP出資(ファンド オブ ファンズ)と、20社以上の東京大学関連ベンチャーへの直接投資を行い、現在も積極的に東京大学関連ベンチャーへの直接投資を行っています。
3Dホログラフィックディスプレイの実用化を可能にするVividQ社のテクノロジー
VividQ社は、Cambridge大学のPh.D.やビジネススクールの卒業生を中心とした経営チームが2015年に設立したベンチャーで、革新的な3Dホログラフィのソフトウエアプラットフォームを提供しています。
通常の写真やビデオは、光の「強さ(振幅)」と「色(波長)」を記録していますが、ホログラフィでは振幅と波長に加え「位相」が記録され、3Dを奥行き感とともに記録・再生できる技術です。また、現在のAR[1]/VR[2]で使われている3D表現技術は、両眼の視差を利用し疑似的に3次元を認識しているため、VAC[3]をおこし長時間の使用は困難ですが、ホログラフィは真の奥行き感を表現できるため、究極の3D技術と言われています。一般的には、ホログラフィ技術は偽造防止対策(紙幣やクレジットカードなど)でよく知られていますが、その技術の複雑さから現時点での産業応用は限定的です。
VividQ社が取り組むCGH[4]は、計算アルゴリズムとSLM[5]で回折像を形成させる技術で、CG[6]のホログラフィ版といえるものです。このCGHは膨大な計算量のため最先端の計算環境でもリアルタイムに計算することは困難でしたが、VividQ社は独自アルゴリズムで、世界で初めてリアルタイム計算を実現しました。VividQ社が提供する3Dホログラフィのソフトウエアプラットフォームは、ARグラス/HMD[7]向けや、車載向けのHUD[8]など幅広いデバイスに展開可能です。
東大IPCは、共同投資家であるUTECやみやこキャピタルとともに、VividQ社のソフトウエア技術と日系企業が得意とする電子・光学部品や、東京大学の研究成果であるデバイス操作技術などとの連携を進めることにより、アカデミア・事業会社・VCのクロスボーダー連携を推進していきます。
東大IPC は、今後も、東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展およびそれを通じた世界のイノベーションを加速するため、ベンチャーキャピタルやオープンイノベーションを推進する企業との様々な連携を通じ、アカデミアの生み出す学術・研究成果を活用するベンチャーの創出、育成および投資を進めていきます。
VividQ Ltd.について
概要 3Dホログラフィのソフトウエア開発
設立 2015年3月
所在地 Castle Park, Sheraton House, Cambridge CB3 0AX, UK
代表者 Darran Milne, Ph.D., Co-Founder and CEO
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について
概要 東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設立 2016年1月
株主 国立大学法人東京大学(100%)
所在地 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者 代表取締役社長 大泉克彦
URL https://www.utokyo-ipc.co.jp/
【お問い合わせ】
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
TEL: 03-3830-0200 / FAX: 03-3830-0183 / Email: info2@utokyo-ipc.co.jp
[1] Augmented Reality, 拡張現実
[2] Virtual Reality, 仮想現実
[3] Vergence Accommodation Conflict, 適合的眼球離反運動の不一致
[4] Computer-Generated Hologram, 計算機生成ホログラム
[5] Spatial Light Modulator, 空間光変調器
[6] Computer Graphics, 計算機グラフィクス
[7] Head Mounted Display
[8] Head Up Display