株式会社クリュートメディカルシステムズへの出資を決定
印刷する株式会社クリュートメディカルシステムズへの出資を決定
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 大泉克彦、以下「東大IPC」)が運営する協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合(以下「IPC1号ファンド」)は、ヘッドマウント型の視野計など先進的な医療機器を開発・販売する東大関連ベンチャーである株式会社クリュートメディカルシステムズ(本社:東京都新宿区津久戸町、代表取締役社長 江口哲也、以下「クリュート社」)に対して、約1億円の出資を行うことを決定しました。
IPC1号ファンドは、東京大学関連ベンチャーの育成促進と、東京大学を取り巻くベンチャーキャピタルの質・量の充実、を中心に据えて運用を行なうことで、東京大学の周辺に持続可能なイノベーション・エコシステムを構築し、世界のベンチャー創出拠点の一つとなることに寄与することを目的としています。その具体的な運用として、シード・アーリーステージの東京大学関連ベンチャーをハンズオンで支援する複数のベンチャーキャピタルへのLP出資(ファンド オブ ファンズ)を行うとともに、並行してミドルステージ以降の東京大学関連ベンチャーへの直接投資もすすめていきます。
2016年12月のIPC1号ファンド設立以来、ベンチャーキャピタル4社へLP出資してきましたが、今回のクリュート社への投資は直接投資の1号案件となります。
クリュート社は、HOYA株式会社で医療機器の企画、開発・技術、薬事、営業などに幅広く携さわっていた江口哲也社長が、同社や株式会社東京大学エッジキャピタル(以下「UTEC」)、大和企業投資株式会社の支援を受けて2013年に設立したベンチャー企業です。緑内障の検査に不可欠な視野計を世界で初めてヘッドマウント型にした医療機器「アイモ」を最初の製品として製造・販売しています。
緑内障は現在の日本の失明原因の第1位で、国内で400~500万人の潜在患者がいると推定されていますが、患者自身の自覚症状がないことや、簡便なスクリーニング方法がないことから実際に治療を受けている患者は約100万人にとどまっています。この緑内障の診断には、眼圧検査や眼底検査とともに、見えている範囲を測定する視野検査が必須ですが、現在の視野計は、暗室が必要、片眼ずつの検査、前かがみの姿勢で長時間(15~20分程度)かかる、といった課題がありました。
「アイモ」は独自の技術でヘッドマウント型とすることで、暗室が不要となり、持ち運びも可能で場所を選ばずに両眼で見る検査を可能としました(椅子に座ったまま、ベッドに寝たままの状態での検査が可能)。また、独自の検査アルゴリズム「AIZE」による短時間測定、瞳孔のトラッキング機能による自動補正といった最先端の機能も搭載しています。2015年10月に医療機器として届出て、現在は日本全国へ販売展開中です。また、東京大学医学部眼科学教室や近畿大学医学部眼科学教室などとの共同研究を通して、「アイモ」の臨床評価を科学的にすすめるとともに、更なる新しい利用方法の研究開発を進めています。
東大IPCは、世界初のヘッドマウント型視野計を約3年という短期間で実現したクリュート社の高い技術力とともに、緑内障検査の現在の課題を解決できるという社会的な重要性の高さを鑑み、この度の出資を決定いたしました。また、クリュート社の国内における販売に加え、海外展開を見据えた取り組みのために、積極的なハンズオン支援を進めていきます。
今回の出資にあたりクリュート社の江口哲也社長は、「今回の調達により、ヘッドマウント型視野計アイモをより多くの方に知っていただくために学会展示や研究会共催などのマーケティング活動を増やし国内販売を拡充、並行して海外各国の薬事・市場環境の調査など海外展開を本格化させる準備を進め、加えて将来的に眼科検診を視野にいれたソフトウェアの開発に注力し、引き続きQOV(Quality of Vision)の向上を目指して事業を進めてまいります。」と抱負を述べております。
また、クリュート社を設立前から支援し、現在クリュート社の社外取締役でもあるUTECの片田江舞子パートナーは、「眼科診断のプラットフォームという全く新しいコンセプトと、それを医療機器として実装できる開発チームに魅力を感じ、創業時から事業支援を行ってきました。創業3年目で計画通り製品の上市を実現させ、現在は、次世代機器の開発や海外展開に注力するステージにあり、今回の東大IPCからの支援によりさらに事業展開を加速化できると考えています。引き続き東大IPCと連携して企業成長を支えていきたいです。」と語っています。
東大IPCは、イノベーション・エコシステムの発展のため、ベンチャーキャピタルとの連携とともに、東京大学関連ベンチャーへの直接投資による育成促進を更に進めていきます。
■株式会社クリュートメディカルシステムズについて
概要 医療機器の開発、製造販売(医療機器製造販売業許可取得)
設立 2013年4月
所在地 東京都新宿区津久戸町3-11 TH1ビル飯田橋3階
代表者 代表取締役 江口哲也
■東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(UTokyo IPC)について
概要 東京大学関連のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設立 2016年1月
株主 国立大学法人東京大学(100%)
所在地 東京都文京区本郷三丁目40-10 三翔ビル本郷6階
代表者 代表取締役社長 大泉克彦
URL https://www.utokyo-ipc.co.jp/
【お問い合わせ】
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
東京都文京区本郷三丁目40-10 三翔ビル本郷6階
TEL: 03-3830-0200 / FAX: 03-3830-0183
担当:河原三紀郎
Email: information@utokyo-ipc.co.jp