第9回「1stRound」支援先決定およびコーポレートパートナー参画のお知らせ
印刷する東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長:植田浩輔、以下、「東大IPC」)は、国内最大規模を誇る13大学共催の起業支援プログラム「1stRound」の第9回支援先を決定いたしました。またこの度、三菱商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長:中西勝也、以下「三菱商事」)、阪急阪神ホールディングス株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:嶋田泰夫、以下「阪急阪神ホールディングス」)が新たにコーポレートパートナーに参画しました。
技術シーズの社会実装を支援、国内初、大学横断・Non-Equity型最大規模の起業支援プログラム
「1stRound」は、大学に関連する優れた技術や着想の事業化、社会実装を支援する国内最大の大学横断型インキュベーションプラットフォームです。初動を加速させるためのNon-Equity資金支援をはじめ、その事業価値が算定可能な事業体・スタートアップとなるためのハンズオン支援を行うべく、2017年より東京大学を母体に「起業支援プログラム」としてスタートしました。2019年より名称を「1stRound」とし、コーポレートパートナーの参画も得たコンソーシアム形式で展開、その後国立・私立大学が参画し、国内最大規模の13大学まで広がり(※1)現在に至ります。
過去採択企業の資金調達成功率は約90%以上、大手企業との協業も拡大
「1stRound」では、過去7年、累計68件を採択し、会社設立・資金調達を支援してまいりました。支援後1年以内の資金調達成功率は約90%以上、大型助成金の採択率50%以上を達成しております。また、コーポレートパートナーを中心とする大手企業との協業関係の創出にも注力しており、68件中31件が協業に至っております。採択企業とコーポレートパートナーをはじめとする様々なステークホルダーを繋げ、双方の知見を活かしたより良いスタートアップ創出のためのコミュニティの醸成とともに、技術シーズを活用したスタートアップビジネス促進の加速を目指します。
また、関連大学の起業家教育プログラムとの連携により、全採択数のうち再応募からの採択は20~25%を占めており、アカデミアからの起業をより後押しする、エコシステム構築を目指しています。
新たに三菱商事、阪急阪神ホールディングスが参画し総勢24社へ。渋谷区、東京都との連携協定も。
「1stRound」には、コーポレートパートナーとして、各業界のリーディングカンパニー(※2)が継続参画しています。この度、新たにコーポレートパートナーとして、商社業界から三菱商事株式会社、鉄道(公共インフラ)業界から阪急阪神ホールディングス株式会社、総勢24社の支援の下でベンチャー企業と既存起業との間のオープンイノベーションの加速を図ります。
また、2023年9月に渋谷区、東京都とスタートアップ支援を目的とした協定を締結いたしました。採択企業のPoCなどの共同支援を強化するとともに、大学関連スタートアップの支援機会の拡大を連携して進めてまいります。
第10回公募募集時期について
本プログラムは1年に2回実施しており、第10回「1stRound」公募を10月10日より開始します(応募締切:11月20日)。詳細は以下のURLよりご参照下さい。
この度の第9回「1stRound」では、2023年6月の審査会にて8件の採択が決定しました。これにより、過去7年半での採択数は累計76件となりました。採択8件について、以下ご紹介いたします。
Star Signal Solutions(スターシグナル・ソリューションズ)株式会社
代表 岩城陽大
https://aerospacebiz.jaxa.jp/venture/star_signal_solution/
通信、天気予報、位置情報サービスなどの生活インフラの宇宙依存が進む中、宇宙での交通事故発生リスクが深刻化しており、その経済損失額は自然災害250個分(約25兆円)以上ともされています。Star Signal Solutions㈱は、宇宙ゴミや人工衛星などの観測・軌道解析を行い、宇宙での衝突事故回避ナビを提供することで「地上の暮らしと宇宙の安全を守る」JAXA認定ベンチャー企業です。(設立準備中)
BlueWX(ブルーウェザー)株式会社
代表取締役 宮本佳明
乱気流は、航空業界において重傷を伴う事故の主要因で、安全性及び経済性に大きく影響を与えています。我々は、世界初の深層学習を用いた乱気流予測モデルを構築し、現在までに既存モデルを大幅に超える予測精度を実現しました。大手航空会社での実証実験により、高い評価を得たことから、高精度な乱気流予測を全世界の航空会社に提供することを目指すとともに、将来的に他業種においても気象リスクを最小限に抑えながら業務を遂行できる環境を提供したいと考えています。
クレイ・テクノロジーズ株式会社
代表取締役 CEO 中田智文
代表取締役 COO/CTO 山下徳正
Qlayはマーケティングやリサーチ担当者向けの、生成AIモデルを活用した消費者リサーチツールです。商品企画やマーケティング業務において、オンデマンドで口コミサイト、SNSや自社データベースから消費者の声を自動収集、LLM(大規模言語モデル)を活用し消費者インサイトを抽出、アウトプットをダッシュボードに一括で可視化します。
株式会社DigitalArchi
代表取締役 松岡康友
https://www.digital-archi.com/
プラスチックを材料とする建築用大型3Dプリンタを開発、コンクリート型枠の域を超えた超多機能モジュール建材を低コストで製造し、現場作業を効率化する新工法を生み出しました。廃棄プラスチックのマテリアルリサイクルで資源循環を実現し、建設業のデジタル化と生産性向上を目指し、社会課題解決に挑みます。
Planet Savers株式会社
代表取締役CEO 池上京
ゼオライトを用いた大気中からの二酸化炭素直接回収技術(Direct Air Capture: 以下DAC)を開発。2050年のCO2排出量ネットゼロ達成に向けて求められるDACにおいて、高効率のCO2吸着材とDAC装置を組み合わせ、実用化可能なレベル(100$/t以下でCO2を回収)のコストで実現。気候変動解決のフロンティアランナーを目指します。
株式会社MiRESSO
代表取締役CEO 中道勝
量子科学技術研究開発機構(QST)の認定を受けた核融合スタートアップ。核融合炉の運転には、ベリリウム(Be)が大量に必要になるところ、当社は低温精製技術により、圧倒的な低コスト・省エネでのベリリウム精製を実現しています。これにより、核融合の社会実装を目指すとともに、その他高温処理が必要な鉱物・素材の精製へと技術を発展的に展開して、経済安全保障の観点からも鉱物資源の安定確保に貢献する企業となることを目指します。
Mesenkia Therapeutics
CEO Johan Lund
https://mesenkiatherapeutics.com/
難治性脳腫瘍として知られる神経 膠芽腫の治療標的分子として受容体型タンパク質HVEMに対する抗体を作製しマウスでの腫瘍抑制効果を確認。抗体のヒト化を完了、血中濃度の維持のためヒトIgGのFcを付けたものを作製した。サルでのPK試験などを完了し2年後の臨床試験開始を目指します。(設立準備中)
株式会社Scimit
代表取締役 CEO 石坂雄平
「AIをドライブし、音声コミュニケーションを革新する」というミッションを掲げ、AI音声変換ソフトウェアを開発・提供しています。音声の再現力が高い最新AIの活用や、音声合成サービスにより、誰でもなりたい声を表現できる時代を目指すとともに、身の回りのどこからでも声優などの各人の「推し声」が聞ける世界を構築していきます。
東大IPCは「1stRound」の活動を通じて、大学関連ベンチャーの更なる裾野拡大と、日本企業のオープンイノベーション活動を支援してまいります。
国内初、大学横断・Non-Equity型最大規模の起業支援プログラム「1stRound」
「1stRound」は、大学に関連する優れた技術や着想の事業化、社会実装を支援する国内最大規模の大学横断型起業支援プログラムです。採択後はハンズオン支援および各社最大1,000万円の活動資金の提供に加え、コーポレートパートナーとの協業機会の創出にも注力しております。
更に、東大IPCが運営するオープンイノベーション推進1号ファンド(AOI1号ファンド)をはじめとするベンチャーキャピタル等による資金調達の支援や、経営人材の育成・発掘、事業連携等のネットワークを共有することで採択先の事業の垂直立ち上げを目指します。
東京大学をはじめとする計13大学が創出する先進的な研究・技術、起業を目指す大学関係者の一層の発掘・支援を広げてまいります。
※1 2021年の第5回目より、東京大学に加え、筑波大学、東京医科歯科大学、東京工業大学の参画を発表し、国内初の4大学共催起業支援プログラムへと進化しました。2022年4月には神戸大学、名古屋大学、一橋大学、北海道大学の4大学参画により、 8大学へ拡大。更に2023年3月、九州大学、慶應義塾大学、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、早稲田大学が参画いたしました。
※2 JR 東日本スタートアップ株式会社、日本生命保険相互会社、ピー・シー・エー株式会社、芙蓉総合リース株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、三井不動産株式会社、三菱重工業株式会社、株式会社安川電機、ヤマトホールディングス株式会社、BIPROGY株式会社、東日本高速道路株式会社、日本ゼオン株式会社、エプソンクロスインベストメント株式会社、三菱地所株式会社、Yamauchi No.10 Family Office、ダイキン工業株式会社、株式会社STNet、三井物産株式会社、ホンダ・イノベーションズ株式会社、出光興産株式会社、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、日立建機株式会社(順不同)
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について
概要 東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設立 2016年1月
株主 国立大学法人東京大学(100%)
所在地 東京都文京区本郷七丁目3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者 代表取締役社長 植田浩輔
URL
【お問い合わせ】
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
東京都文京区本郷七丁目3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
TEL: 03-3830-0200 / FAX: 03-3830-0183
Email: h.nagasaka@utokyo-ipc.co.jp
担当者:長坂 英樹