2022/3/15

スタートアップでインターンはどう?インターン生のインタビューあり

スタートアップでインターンするのはどう?

スタートアップでインターンするのはどう?

就職活動を行う大学生の中には、インターンシップへの参加を検討する方が多く見られます。とりわけスタートアップでのインターンシップは、一般企業と比較すると経験できる仕事の幅が広い傾向にあり、得られる経験値が大きいと考えられています。

その一方で、スタートアップのインターンシップには「学業との両立が大変」「教育体制が整っていない」などのデメリットを懸念する方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、スタートアップのインターンシップに参加することについて悩んでいる学生に向けて、スタートアップのインターンに参加する際の一般的なメリットとデメリットを紹介します。

また、記事の後半では、実際にスタートアップのインターンシップに参加している学生のインタビューもお届けします。

スタートアップでインターンするメリット・デメリット

スタートアップのインターンシップに参加することにはさまざまなメリットがある一方でデメリットがあるケースもゼロではないため、インターンシップ参加を検討する際には双方を十分に把握しておくことが望ましいです。

一般的に言われている、スタートアップでインターンするメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット

ここでは、一般的に言われているスタートアップのインターンシップに参加するメリットの中から、代表的な5つの項目をピックアップし紹介します。

裁量権があり責任ある仕事を任せてもらえる

スタートアップでは、即戦力としてインターン生を採用することが多いです。中には、一般企業の入社3年目の社員が任せられるような仕事を手掛けるインターン生もいます。

また、スタートアップでは、インターン生からの提案にしっかり耳を傾けてくれる組織も多く見られます。なぜなら、既存事業のようにルール・マニュアルが定まっておらず、ブラッシュアップするための提案を歓迎するムードがあるためです。

このことから、スタートアップのインターンシップに参加すれば、「上司から指示されたことのみをこなすのではなく、自身で課題を発見して解決するために主体的に行動する」という、社会人に求められるスキルが必然的に習得できます。

したがって、裁量が大きく責任ある仕事を任せてもらえるスタートアップのインターンシップは、ビジネスの基礎を習得し、成長につなげたい学生からすると適した手段だといえます。

事業の成長を実感しやすい

もともとスタートアップは急成長を目指す組織です。スタートアップのインターンシップに参加すると、事業の成長に向けた即戦力として迎え入れられることから、自身の力で事業を成長させていくことを実感しやすいです。

スタートアップというスピード感と緊張感のある現場で、実際の仕事を肌で体感しながら自分の力量で事業の成長を目指していく経験は、非常に刺激的だといえます。自分のアイデアや選択が製品開発・売上アップなどにつながった際の達成感は計り知れないでしょう。

経営者の近くで働ける

スタートアップは数人~数十人程度の小規模で運営されるケースが多く、経営者の近くで働ける可能性が高いです。これに対して、大手企業では100人以上の従業員を抱えている組織が多く、経営者の近くで働ける可能性は非常に低いです。

就職活動を行う学生にとって、経営者の仕事を身近に感じられる点は魅力的なメリットだといえます。スタートアップの経営者の中には先進的な考えを持っている人が多く、ビジネス面だけでなく人生面でも良い刺激を与えてくれる可能性があります。インターンシップ活動中に経営者視点に触れておくことで、ビジネスに関する意識・スキルのレベルアップにつながるのです。

また、多種多様な考え・価値観を持った経営者・社員と深く関われるため、インターンシップ期間中、刺激的な日々を過ごせます。ランチ休憩や仕事終わりの食事を共にする経験も得られて、社会人の生活を身近に感じられるでしょう。

やりたくない仕事がわかる

スタートアップのインターンシップに参加すると、「自分がやりたくない仕事」を把握できることもメリットの1つです。当然ながら、誰にでも得意な仕事・苦手な仕事はあるものですが、将来的に就職する際は自分が苦手な仕事に就くのはできる限り避けたいところです。

スタートアップでインターンシップを行うと、必然的に数多くの仕事に取り組まなければならない環境に身を置けます。その結果として、自分の得意な仕事や苦手な仕事をある程度分かるようになるのです。

例を挙げると、「メールでのやり取りや電話対応などコミュニケーションを取ることは苦手なものの、プログラミングなどエンジニアの仕事は楽しい」「プログラミングよりも、マーケティングの仕事が好きで、やる気が出る」というように、自分の向き不向きを知るきっかけとなります。

また、「オフィスに出社して仕事をするよりも、リモートワークの方が集中できて自分には向いている」など、働き方に関する方針を定めることにもつながります。

さらに、就職活動を行う際も、実際の業務レベルで把握した経験をもとに、自分のやりたい仕事に絞ってアプローチできるため、効率的に進めていくことが可能です。

就職活動で経験を語ることができる

スタートアップの中には人員が足りていない組織が多く、インターンシップ参加者にも社員と同様の仕事を任せるケースが多いです。そのため、一般的な企業でのインターンシップに比べてスタートアップでのインターンシップでは、経験できる仕事の幅は非常に広いです。

スタートアップのインターンシップでは、実際の業務を通じて、基本的なビジネスマナーだけでなく、業種に応じて企画・営業・ライティング・プログラミングなどのスキルを学習できます。

普段は経験できないような仕事から、答えが用意されていない仕事に至るまで、自身で考えて手探りで取り組んでいく必要があるため大変ではあるものの、こうした経験は社会に出た後にも糧になります。またその前段階である就職活動においても、自己分析や将来のビジョンを描く際に役立たせることが出来るでしょう。

デメリット

続いて、一般的に言われているスタートアップのインターンシップに参加するデメリットの中から、代表的な2つの項目をピックアップし紹介します。

学業との両立が大変

スタートアップでは、インターン生も戦力とみなされることから、多くの活動時間(シフト)を求められる場合があります。

また、インターンに夢中になるあまり、仕事中心の生活になるインターン生もいて、「学業との両立が困難になり、単位を落として留年してしまった」というケースもゼロではありません。

とはいえ、スタートアップ側も、大学生の本分は勉強であることを理解しているはずです。そのため、学業を疎かにしないように、インターン先の企業と相談しながら、無理のないシフトを組むことが大切です。

教育体制が整っていない

スタートアップの中には教育体制が整備されていない組織が多く、インターンシップでは実践を通して学んでいくOJT(On the Job Training)形式が採用されているケースが多いです。そのため、「じっくり丁寧に教わっていきたい」という心構えでは、スタートアップのインターンシップをこなしていくことは難しいです。

それでももし教育体制が比較的整っているインターン先を探したい場合は、インターンの受け入れ実績が豊富なスタートアップを選ぶと良いでしょう。インターンシップの実施に慣れている組織であれば、インターン生の教育ノウハウを有しているため、無茶な仕事を任せることはありません。

大学生にとってOJTでのインターンシップは難しい側面があるものの、座学よりもスピーディーに成長できる可能性があります。このように、メリットと表裏一体であることから、インターンシップを通じて他の学生に抜きん出るほどの成長を目指したい場合は、OJTで鍛えられる環境に身を置くことはデメリットにはならないでしょう。

スタートアップでインターンしている学生インタビュー

Yanekaraオフィス前にて松田さん本橋さん②

最後に、実際に株式会社Yanekara(電動車両を中心とした地域共生エネルギーマネジメントシステムの開発と販売を手掛けるスタートアップ)のインターンシップに参加している学生2名(左:松田さん、右:本橋さん)へのインタビューの内容を抜粋して紹介します。

※インタビューのロングバージョンは、弊社投資先経営者のインタビューをまとめている”STORY”に掲載しています。

ーーどれくらいの時間、Yanekara社でのインターンシップ活動を行っていますか?

本橋:平均すると月40時間くらいですね。春休みの期間はもう少し多いと思います。自分の中でインターンシップの活動に充てる時間数をある程度決めているものの、「この曜日の、この時間」というような規則性はなく、まったくのランダムで自分の空いている時間をYanekara社でのインターンシップの活動に充てている状況です。

松田:私は4年生に入ってから授業がまったくなくて、研究室で研究を進めていればよいという生活でしたので、通常期(長期休暇や大学の試験などがない時期)は、多いときでは週に3回ほど柏に行っていましたね。

ーーYanekara社のインターンシップで行っている活動内容をお教えいただけますか?

本橋:私がメインに手掛けているのは「回路に積んでいるコンピューターの制御コード」を書くことです。実際に動作するかどうかを調べる統合試験を含めて、制御をしっかり機能させることをメインに担当しています。

これまで数カ月間という短いインターン期間ですが、現在のユーザーさんとじっくり時間をかけてお話をさせていただいたり、将来的にユーザーさんになるかもしれない企業さんとの間でも定期的なコミュニケーションを行ったりしています。

松田:基本的には、Yanekara社が今後リリースしていく主力製品のうち1つ(多数台の電気自動車に太陽光発電と系統電力から給電する製品)について、開発の中心メンバーとして活動しています。開発現場に行き、電気自動車の充放電に必要な回路の設計を他のメンバーに依頼したり、機器に組み込むソフトウェアを作ったり、製品の開発プロジェクトのマネジメントを行ったりしています。

ーースタートアップのインターンシップへの参加に際して、一般的に言われるデメリットについて不安はありませんでしたか?

本橋:「学業との両立が大変な場合がある」という面でデメリットが生じるおそれがあることは気にしていましたね。なので、インターンシップに参加する際には、「他の活動があるので、コミットできる範囲は限られている」ことを事前に意識して、初めから伝えておきました。

結果的に学業や別の課外活動との両立は行えており、スタートアップ側でも「学生の貴重な時間を使っている」という意識を持って対応いただいていると感じています。例えば、「学業に充てたい時間数」は試験やテストなどによって変化するものですが、Yanekara社にはこの点も尊重いただいており助かっています。

また、「教育体制が整っていない」という面もありますが、そもそもスタートアップでは仕方のない部分だと思います。とはいえ、Yanekara社にはそれぞれ異なる分野に強みを持つメンバーが揃っていて、不明点がある際はすぐに相談できるため、特にデメリットは感じていません。

「チーム内でわからなければ、外に聞きに行く」という考えも定着しており、ツテを辿って外部のエンジニアに相談しに行った経験もあります。受け身の姿勢で「教育」を捉えると、スタートアップ体制は決して万全とはいえませんが、スキル・情報を得る手段は確保されていると感じています。

ーースタートアップのインターンシップに参加してみて、メリット面でのギャップはありましたか?

松田:想像以上に各メンバーのスキルを尊重してくれて、「得意なこと」を中心にそれぞれのメンバーが責任を持って活動していける組織であると感じています。簡単に言うと、「活動するうえで、裁量がある」ということです。「信頼して任せてくれる」「単純なタスクのような仕事ではなく、自身で積極的に提案しながら行動していく」というような雰囲気のある組織だと思っています。

また、一般的に言われているメリットの1つ「事業の成長を感じやすい」という点は非常に共感できますね。「自分が開発しているモノが目の前で形になっていき、世に出て、スケールしていく」という全体像を見る経験は、学生時代にはほとんど得られない貴重なメリットなのではないでしょうか。

Yanekara社では昨年の夏に合宿を行い、私たちの活動に協力してくださっているパートナー企業さんと一緒に開発を行ったり打ち合わせを行ったりしました。現場に行くことを大切にしているので、「開発現場だけでなく顧客に実際にお会いして、使っていただく人も含めたみんなでモノづくりを行っていこう」という雰囲気を味わえて、エンジニアとしてのモチベーションを高められたことも、良い意味でギャップでした。

もう1つ言われている「経営陣の近くで働ける」というメリットについても、得られていると感じています。Yanekara社では、「◯年後にキャッシュインが期待できる」といったファイナンス面についても、基本的にメンバー全員で話し合っているので、これまで私があまり興味のなかった経済や金融の分野に関心を持つきっかけになりました。

ーーこれからスタートアップのインターンシップに参加したいという学生にメッセージをお願いします。

Yanekara松藤さん本橋さん松田さん②

本橋:スタートアップという組織は、さまざまな方向から投資をしてもらい、情報のインプットをしてもらったうえで、スピード感のある事業展開を行えます。

こうした組織のインターンシップに参加すれば、自分が作りたいものをスピーディーに作れて、経験を積むことができます。また、スタートアップは、「顧客から評価を得る」という成功に向けて、将来的に事業としてどのようなことを手掛けたいのかをチームで議論できる場でもあります。

言うなれば、スタートアップは「自分の経験」と「組織・事業単位での価値提供」をセットで考えられる機会であり、人生をきっと豊かにしてくれると思うので、スタートアップのインターンシップに興味のある方は、積極的に参加することをおすすめします。

松田:大切なのは、「何かしらの興味を持ったら、とりあえず動いてみる」ことだと思います。インターンシップであれアルバイトであれ、「面白そうだな」と感じたものがあれば、とりあえずメールを送ったりコンタクトしたりするのは良い選択肢だと思います。

スタートアップは自分のライフスタイルに合った働き方を模索しやすい組織だと思っています。学生は失敗が許される時期ですし、とくにスタートアップは新たに事業を立ち上げていく組織で、この挑戦の中に失敗はつきものなので、ある意味で失敗に寛容な環境だと思っています。なので、失敗を恐れず、興味を持ったら積極的に動いてみることをおすすめします。

・本橋さんロングインタビュー

スタートアップインターン・インタビュー Yanekara 本橋 悠人さん

・松田さんロングインタビュー

スタートアップインターン・インタビュー Yanekara 松田 響生さん

インターン先をお探しの学生さんへ

東大IPCでは、本橋さんがインターンをされているYanekara社以外にも最先端テックスタートアップをインターン候補先としてご紹介できますので、ご興味がございましたら以下の相談申し込みフォームからお気軽にお問い合わせください。

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