バーニングニーズとは?見つけ方も紹介
【目次】
バーニングニーズとは
バーニングニーズ(英語:Burning Needs)とは、文字どおり、「髪の毛に火が付いていて、すぐに消すことが求められる」ような切迫したニーズのことです。
基本的に、顧客は、「極めて速やかな対処が求められる課題」を解決できる製品のみを購入すると考えられています。さらに、BtoB(企業間での取引)の場合は、製品の導入によって課題を解決できるかどうかが、顧客側の企業によって厳しく判断される傾向があります。
以上のことから、スタートアップやベンチャーなど、新たなアイデアをもとに事業を立ち上げる企業にとっては、製品の開発に着手するよりも前に、顧客が抱える本当のバーニングニーズを見つけ出すことが大切であると考えられています。
バーニングニーズの見つけ方
本章では、バーニングニーズを見つけるうえで役立つ施策の代表例として、以下の4つを取り上げます。
- 仮説を立てる
- ヒアリングをする
- 課題をまとめる
- 思い込みを捨てる
それぞれの施策を詳しく順番に解説します。
①仮説を立てる
まずは、次のプロセスの準備段階として、顧客の課題およびそれに応じた解決策を仮定としてまとめます。ここでは、例えば、自分自身がこれまでに感じてきたことや経験をもとに、顧客の課題やニーズの仮定を立てます。
また、実際にその課題を抱えている人がどのような人なのか、ターゲットとなる顧客セグメント(グループ)を定義します。
②ヒアリングをする
次に、前のプロセスで定義した顧客セグメントに対してヒアリングを行います。ここで注意すべき点は、事前に顧客セグメントを定義したうえで、ここに該当する人々に対してヒアリングを行うという点です。事前に仮定した課題を持つ顧客に対してヒアリングを行わないと、想定するバーニングニーズの発見にはつながりません。
また、ヒアリングの前には質問事項をまとめておき、実施後にそのポイントを十分に聞き出せたかどうかをチェックしましょう。これにより、質問漏れを防止し、再度ヒアリングを行わなければならない事態を回避できます。なお、当然ですが、ヒアリング時の内容はメモしておきましょう。
③課題をまとめる
次に、ヒアリングによって得られた情報から、顧客が困っている課題を抽出し、表形式でまとめます。そして、ヒアリングにおいて同様の課題が言及された回数をチェックします。このプロセスにより、多くの顧客が抱えている共通の課題が浮上すれば、バーニングニーズを発見できる可能性があります。
④思い込みを捨てる
ヒアリングを行い、課題をまとめる際は、自身の仮定が正しいという思い込みを捨てたうえでプロセスを進めましょう。つまり、あくまでも「顧客が言ったこと」をもとにバーニングニーズを探し出すことが大切であると考えられています。
また、ヒアリング時に顧客が挙げた課題に対して、自身で安直に解決策を考えるのは避けましょう。多くの場合、顧客が挙げた課題は表層部分に過ぎず、この状態では本当の課題および適切な解決策は見つけられないためです。顧客が抱える本当の課題は、発生要因を深堀りしない限り、特定できません。
顧客の抱える課題の発生要因を探るには、自身の思い込みを捨てたうえで、その顧客がどのような背景を持つ人なのか把握することが大切です。例えば、企業を顧客とする場合、以下のような項目を把握すると良いです。
- どの程度の規模の組織に所属しているのか
- どのようなポジションにあるのか
- チームの構成はどのようになっているのか
このような背景を把握することで、顧客の抱える課題を深堀りでき、バーニングニーズの発見および適切な解決策の検討などにつなげられます。
バーニングニーズを見つけてPMFを達成しよう
PMF(Product Market Fit:顧客の課題を満足させる製品を提供し、それが適切な市場に受け入れられている状態)を達成するには、バーニングニーズを見つける必要があります。
これを実現するためにも、PSF(Problem Solution Fit)に到達したうえでMVP(Minimum Viable Product)を構築し、初期の顧客を巻き込んでフィードバックをもらいながら、製品の改善を繰り返すことが望ましいです。
スタートアップの強みは、スピーディーに動ける点や、柔軟な対応で良質な顧客サービスを提供できる点などにあります。これらの特徴を生かして顧客の声に耳を傾けつつ、バーニングニーズの発見を目指しましょう。
PMFについては以下の記事で解説しています。そもそも「PMFとはどういった状態で、どのような手順で達成を目指せば良いのか」を掴んでおくと、バーニングニーズを見つけるための方法がより深く理解できますので、ぜひご一読ください。