オピニオンリーダーとは?役割やインフルエンサーとの違いを解説
【目次】
オピニオンリーダーとは
オピニオンリーダー(英語:Opinion Leader)とは、特定の商品の購買行動および消費を先導する消費者層のことで、集団の意見・行動・判断などに対して大きな影響を及ぼす人物をさします。
一般的に、オピニオンリーダーとしての役割を担うのは、「特定の問題に対して他の人々よりも強い興味と関心を寄せていて、詳細な情報を所有しており、新たな製品を早期に取り入れる人物」です。
役割
オピニオンリーダーの役割は、「人々の意思決定に大きな影響を及ぼして、世論を形成すること」です。オピニオンリーダーが媒介となり、特定のコミュニティーに新たな情報が浸透することで、そのコミュニティー内の人々の意見が形成されていく、という仕組みです。
このように、オピニオンリーダーは特定のコミュニティに所属する人々に対して強い影響力を持っていますが、何らかの義務を課されている存在ではありません。
とはいえ、マーケティングの分野(例:新ブランドや新商品などの発売)において、オピニオンリーダーの存在は必要不可欠です。
製品をPRするためにオピニオンリーダーを起用した場合、そのオピニオンリーダーを支持している人々の間で話題に上げられやすくなり、製品が購入される可能性が高まります。
影響力
オピニオンリーダーはインターネットの普及以前より存在していましたが、昨今ではインターネットの普及に伴い、ブログやSNSなどでリアルタイムに情報を配信できるようになったことから、オピニオンリーダーの定義が拡大しています。
従来のオピニオンリーダーは、芸能人の中でも特に影響力のある人物や有識者、ローカルエリア内で大きな影響力を持った人物や企業などから生まれる傾向がありました。しかし、最近ではインターネット上で一定の支持を集めているブログの筆者やSNSのユーザーのほか、口コミサイトの口コミ(サービス)自体もオピニオンリーダーに該当するようになっており、これらの影響力が徐々に高まっています。
オピニオンリーダーとインフルエンサーとの違い
インフルエンサー(英語:Influencer)とは、インスタグラムやTwitterなどのSNSを通じて情報を発信し、これにより自身が有しているコミュニティー(フォロワー)に影響を与える人物のことです。
オピニオンリーダーとインフルエンサーは、共に「特定の集団に対して大きな影響力を持っている」存在であり、しばしば混同されやすいものの、これら2つの概念には異なる特徴も見られます。
オピニオンリーダーは大きな影響力を持つ人物やサービスを意味する一方で、インフルエンサーは大きな影響力を持つ人物を意味し、人以外には用いられない言葉です。つまり、オピニオンリーダーの中にインフルエンサーが含まれる、という関係性にあります。
オピニオンリーダーとイノベーター理論(マーケティング理論)の関係性
この記事で解説を行ったオピニオンリーダーは、イノベーター理論にもとづいた概念です。
イノベーター理論とは、新たな製品(商品・サービス)などの市場における普及率を示すマーケティング理論のことです。このイノベーター理論では、新たな製品の普及の過程を、これを採用するタイミングが早い消費者から順番に以下の5タイプに分類し、これにもとづきマーケティング戦略や市場のライフサイクルなどに関する検討を行うことが望ましいと考えられています。
- イノベーター(革新者)
- アーリーアダプター(初期採用者)
- アーリーマジョリティ(前期追随者)
- レイトマジョリティ(後期追随者)
- ラガード(遅滞者)
上記の5タイプのうち、オピニオンリーダーは、アーリーアダプターに該当します。アーリーアダプターとは、「イノベーター」の次に世間や業界のトレンドに敏感であり、常日頃からアンテナを張り情報を収集し、判断を行う層のことです。自身の周囲にいる人々に対して製品の口コミや評価を伝える性質があり、アーリーアダプターの口コミや評価を気にするアーリーマジョリティやレイトマジョリティなどに対して大きな影響力を持つと考えられています。
イノベーター理論については、以下の記事で解説しています。併せて読んでいただくとより全体観を把握しやすくなりますので、ご一読ください。
まとめ
オピニオンリーダーとは、特定の商品の購買行動および消費を先導する消費者層のことで、集団の意見・行動・判断などに対して大きな影響を及ぼす人物をさします。主に、「人々の意思決定に大きな影響を及ぼして、世論を形成する」役割を担う存在です。
オピニオンリーダーとインフルエンサーは類似する概念ですが、オピニオンリーダーには大きな影響力を持つ人物やサービスが該当する一方で、インフルエンサーには大きな影響力を持つ人物のみが該当し、人以外を含まない点に違いが見られます。
なお、オピニオンリーダーはイノベーター理論におけるアーリーアダプターに該当し、自身の周囲にいる人々に対して製品の口コミや評価を伝えて、アーリーマジョリティやレイトマジョリティに対して大きな影響力を持つと考えられています。